将来のことを考えるなら、出来る限りライフステージの早い段階で「お金のこと」、つまり投資などによる資産形成・運用を考え始めておきたいところ。
しかし、投資は専門的な知識や技術がなければ難しいのでは?損をしてしまうだけでは?と、なかなか踏み出せない方も多いでしょう。そこで選択肢の一つとして検討したいのが「ロボアドバイザー」です。ここではロボアドバイザーの種類について紹介していきます。
※投資は自己責任です。主観に頼らず、客観的事実に基づいてサービスを利用することを推奨します。
目次
1.ロボアドバイザーは大きく分けて2タイプ存在!
ロボアドバイザーは大きく2通りのタイプが存在します。アドバイス型と投資一任型です。
ところで、人生は選択と意思決定の連続です。
そして投資も同様に、選択と意思決定の連続です。
さらに投資は政治経済の動向やマーケットの動向を筆頭に様々な情報収集を行う必要があります。
これらの情報をもとに適切な判断を下さなくてはならず、それでいて意思決定までのタイムリミットが設けられていることも多いため、かねてから投資家の情報収集やその判断をサポートするロボットの登場が期待されていました。
そして近年、技術の向上によりそんなロボットが実際に誕生したのです。
「ロボアドバイザー」といいます。
ここでは、アドバイス型と投資一任型、それぞれのロボアドバイザーの特徴をご紹介します。
1-1.参謀的役割を果たすアドバイス型のロボアドバイザー
アドバイス型(※助言型ともいいます)は、投資をする上で参謀的な役割を果たすロボアドバイザーです。
アドバイス型ロボアドバイザーの有名どころとしてはオンライン証券取引専門業者のパイオニア的存在である松井証券のプロダクト「投信工房」などがあります。
アドバイス型は投資に関連して様々な情報収集を行い、また投資家本人の資産運用に関する基本的な考え方をもとに、その時点で最適と判断される投資の配分や方向性を指し示します。
つまり、最終的な判断を行ったり投資を行うのは本人ということになります。
あくまでもアドバイス型のロボアドバイザーは「参謀」といった立ち位置といえます。
1-2.運用までお任せ!投資一任型のロボアドバイザー
アドバイス型と対をなす存在ともいえるのが、投資一任型のロボアドバイザーです。
こちらのタイプはアドバイス型とは違い、投資家が最初に投資に関する方針や様々なデータを入力することにより、実際の投資業務もロボアドバイザーが代行するタイプのロボアドバイザーです。
例えば株式会社お金のデザインが提供している「THEO(テオ)」というロボアドバイザーは20代から30代のユーザー層が厚く、同社では分散投資を投資一任運用サービスとして提供することによって難しく専門的なイメージのある「投資の敷居」そのものを下げることに成功しています。
また、預かり資産が1,400億円を突破したロボアドバイザーがあります。それがウェルスナビです。
こちらはスマートフォンやパソコンなどで、手軽に資産運用に取り組むことができると人気です。
これらの投資一任型ロボアドバイザーは実際の運用業務もロボットが代行するため、投資家がやらなければならないことはあまり多くはありません。
従来の投資業務はもちろん、アドバイス型のロボアドバイザーを使う場合と比較しても格段に少ないのが投資一任型ロボアドバイザーの特徴です。
2.結局、おすすめのロボアドバイザー はどっち?
アドバイザーには二つの種類があることがわかりましたが、ここで一つの疑問が浮かびます。
「結局、おすすめのロボアドはどっち?」
という疑問です。
こちらの問いに対する答えはたった一つ。
「投資家の考え方やタイプ、知識量などによって使い分けるべき」
というものです。
少なくとも、どちらかが絶対的に優れており、どちらかが絶対的に劣るということはありえません。
この後にご紹介するように投資家のスタンスや現在の知識量・また投資経験などによって使うべきロボアドバイザーは変わります。
また、どちらのロボアドバイザーを使用するかについては、最終的に投資家の判断に委ねられるところでもあります。
2-1.属人的リスクを考えるなら投資一任型のロボアド
投資一任型のロボアドバイザーは、属人的リスクについて考える上で有効な選択肢の一つといってよいでしょう。
すなわち、投資一任型のロボアドバイザーは投資家の基本的なスタンスや考えを反映することはできるものの、投資家が細かく1から10まで全ての投資業務を行う必要はありません。
最初にある程度の設定を行ったら、後は長期的に投資一任型のロボアドバイザーに投資を代行してもらうという考え方です。
そのため、例えば一時の感情に流されて狼狽売りをしてしまったり、十分でない判断材料の中で誤った選択をしてしまうといった属人的なエラーそのものは投資一任型のロボアドバイザーに投資をさせている間は起こりません。
昔から投資の世界には、属人的なリスクがつきものでした。
人間はヒューマンエラーを完全にゼロにすることは絶対にできません。
そのため、投資の世界においてもヒューマンエラーによって重要な局面で判断を間違えたり、そもそも投資の売買注文をミスしてしまったり、様々なリスク要素が考えられます。
ひとつのヒューマンエラーによってその後の投資戦略を大きく変更せざるを得なくなるケースもあるため、ご自身が普段からよくヒューマンエラーを起こしたり、重要な局面で判断ミスを起こしたりする傾向にあるようだ、と自己分析されているのであれば投資一任型のロボアドバイザーは有用な選択肢となります。
また、投資というとFX投資などのように、絶えずスマートフォンやPCに張り付いて相場の動向を見つつ作業を行わなければならないというイメージもありますが、投資一任型のロボアドバイザーを使用することによってこのような手間も一切かかりません。
それでいてどの部分までリスクテイクを行うか、という指標であるリスク許容度の設定についても柔軟に行うことができるので、投資家のスタンスやマインドについても織り込んだ上で投資を代行させることが可能です。
事実として、投資一任型のロボアドバイザーの提供元も「投資家がすべきことは口座を作り、初期設定を行うのみ」とその利便性や使い勝手を紹介しています。
もちろん、投資をする上で必要な作業である「運用中の資産を最適化する行為」・リバランスについても投資一任型のロボアドが行います。このあたりに魅力を感じて投資一任型のロボアドバイザーを使用する投資家も存在します。
2-2.自分で舵取りするならアドバイス型のロボアド
投資一任型のロボアドバイザーを導入することにより具体的な投資業務を代行してもらうことができますが、その一方でアドバイス方や助言型と呼ばれるロボアドバイザーを導入すると、実際の投資業務については投資家本人が行わなければなりません。
ロボアドバイザーが助言してくれるのは資産運用における方向性やその配分などとなりますので、これらの情報を元に投資家本人が最終的な意思決定をすることになります。
投資一任型のロボアドバイザーが実際の業務を代行する「秘書」であれば、助言型やアドバイス型のロボアドバイザーは「参謀」といったところでしょうか。
必要な情報収集などはロボアドバイザーが行いますので、投資の経験や知見があったり最終的な意思決定は自分が行いたいというスタンスの投資家には適しているロボアドバイザーです。
ロボットに任せるのではなく最終的な舵取りは自分で行いたい、というタイプの投資家はこちらのタイプのアドバイザーを使用すると良いでしょう。
3.あくまでも最終的な判断は投資家自身で
ロボアドバイザーは投資業務を行う上で、また長期的な視点で資産運用を行う上で効率的に物事を進めることができるですが、あくまでもツールはツールです。
最終的な投資判断や、相場の見定めなどについてはあくまでも投資家自身が行うことが重要です。
ロボアドバイザーは投資家の代わりに全ての物事を進めることは原則としてできません。
また、そういった使用方法も決して推奨されるものではありません。
投資家の意向やスタンス、そして判断のもとにロボアドバイザーがその業務を「代行」してくれているのだ、ということを決して忘れないようにしましょう。
今後の人生を考えたときに、出来る限り早い段階から取り組んでおきたい資産運用。資産を運用するための投資は、ロボアドバイザーの力を借りるという選択肢が最近登場しました。
ロボアドバイザーにはアドバイスまでを行うアドバイス型のロボアドバイザー、そしてアドバイスを含め、そこから一歩先の領域である投資業務についても投資家の意向を汲んで代行する投資一任型のロボアドバイザーの2種類があります。
ご自身のスタンスや考え方に応じて、どちらのロボアドバイザーを使用するか検討したいものです。
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