「ブロックチェーンとは何か?最近よく聞くようになったな。」
「でも、なんのことかよくわかないな…。」
「ブロックチェーンって結局何ができるの?」
そう感じている方は多くいらっしゃるのではないでしょうか?
この記事では、ブロックチェーンについて、初心者でもわかりやすく、図解を含めて説明していきます。
ポイントとして、以下の3点に絞ってお伝えします。
- ブロックチェーンとは何か?
- どのような仕組みで、それによるメリット・デメリットは何か
- 具体的にどのように利用されているのか
この記事を読めば、ブロックチェーンについて重要なポイントを全て抑えることができ、簡単に人に教えられるようにもなります。
ブロックチェーンについて理解したい人はぜひ、読み進めてみてください。
目次
1.ブロックチェーンとは?
1-1.ブロックチェーンを一言で表すと
ブロックチェーンを一言で表すと「分散型台帳」と表現できます。
ニュースで見聞きした方多くいらっしゃるのではないでしょうか?
1-2.そもそも「台帳」とは?
まず、「台帳」の意味を確認していきましょう。
ブロックチェーンは分散型”台帳”と言われるだけに、台帳であることが示されます。
台帳
商店や企業で、商品の売買額や賃金などを記録しておく帳簿。Wikipedia
要は、ブロックチェーンとは、お金のやり取りを記録するもの、ということです。引用では企業と記載されていますが、これは私たち個人間でのやり取りでも欠かせないものです。
例えば銀行の通帳。預金の場合、私たちが銀行にお金を預け、その記録を通帳に記載します。
もし、預金した記録がないと、預金したという証拠がないので、そのお金を下ろしたり振込ができなくなります。
1-3.分散化とは?
分散化とは、文字通り、「散らばっている状態」のことを意味します。何が散らばっているかというと、それが「台帳」になります。
台帳が散らばっているということですが、散らばっている先はどこでしょうか。それは台帳の利用者になります。つまり、お金やり取りを行なった人が、その台帳(またはその一部)を所持しているということです。
したがって、ブロックチェーン、つまり分散型台帳とは、「お金のやり取りした人みんなが持っている台帳」と解釈ができます。
つまり、「お金のやり取りをする人みんなで、台帳の運営・管理をする」ことが、ブロックチェーンということになります。
2.ブロックチェーンの仕組みとは
2-1.3つのプロセス
では、ビットコインを送金した場合を想定して、ブロックチェーンの仕組みについて説明します。
主に3つのプロセスに分けることができます。
- 取引
- 記録
- 検証
になります。図解すると以下のようになります。
では、それぞれプロセス毎に具体的に解説していきます。
2-2.①取引
まず、最初の「取引」ですが、これは何も難しい所ではなく、お金のやり取りのことを意味します。一般的にトランザクションと言われる行為です。
より詳しく見ると、生成→署名→伝搬と3つのフェーズに分けることができます。
AさんがBさんに10ビットコイン(以後BTCと表記)送金するというケースを踏まえて、それぞれ見ていきましょう。
生成と署名
最初にトランザクションの生成を行います。ここは何も難しいAさんがBさんに10BTCを送金すると決め、トランザクションを生成したことを署名します。
署名とは、Aさんが自らのウォレットに管理している秘密鍵というもので行います。ウォレットは一般的な財布と違い、ビットコインが入っている訳ではありません。
ビットコインはブロックチェーン上で管理されており、秘密鍵はビットコインの所有権を管理する役割を担っています。
したがって、生成というフェーズでは、「Aさんは自らに所有権のさる10BTCをBさんに譲渡する」と表現することができます。
伝搬
生成と署名の次は伝搬というフェーズに移ります。
これは、正しくトランザクションの生成・署名が完了したことを、他のノードに確認してもらうことです。
ここで、正しくトランザクションの生成・署名が行われなかったと判断された場合、それは破棄されるようになっています。
2-3.②記録
正しくトランザクションの生成・署名ができたことを証明されると、記録の段階に入ります。しかし、この記録の記録は一体誰が行うのでしょうか?
そこで登場するのが、マイナーと呼ばれる人々(または組織)です。マイニングと呼ばれる作業を行うことで、取引の記録を行います。
「AさんがBさんに10BTCを送金する」というトランザクションは、マイニングプールといわれる場所に移動します。記録待ちのトランザクションの待機室みたいなイメージです。
マイナーはこのマイニングプールから記録するトランザクションを選び、マイニングを行います。したがって、「AさんがBさんに10BTCを送金する」というトランザクションは、マイナーから選ばれない限り、記録されることはありません。
2-3.③検証
ここでは、マイナーが記録した内容が正しく行われたのかを他のマイナー達がチェックします。
この検証が完了することで、取引は正式に認められ、ブロックチェーン上に記録されます。記録されて初めて、実際の送金が行われます。
AさんからBさんに10BTCが実際に送金されるのは、ブロックチェーンに記録され、それが正しく行われたか検証されてから行われます。
3.ブロックチェーンのメリット
このようなブロックチェーンのメリットは、主に以下の3つが挙げられます。
1.改ざんがされにくい
2.運用コストが安い
3.信頼システムの構築
それぞれどういうことか、見ていきましょう。
3-1.改ざんがされにくい
ブロックチェーンは、上記で述べた仕組みをしていることで、外部からの改ざんが非常に難しくなっています。それにより、記録された内容を信用できるようになり、みんなが安心して利用することができます。
仮に、改ざんされたとしても、それを素早く見つけることが可能で、見つけ次第改ざんを修正することが可能になります。
しかし、完全に改ざんがされないわけではありません。ビットコインのブロックチェーンでは、51%攻撃という課題が存在します。
先日あったモナコインのハッキング事件も、ブロックチェーンの改ざんによるものです。
3-2.コストが安い
従来だとデータを管理する大規模なサーバーが必要となり、その運用管理のコストが非常に高くなります。しかし、ブロックチェーンは、みんなでデータの管理を行うことでコストカットが実現しています。
また、私たちがブロックチェーンを利用する場合でも従来の中央集権型よりも手数料を安くすることが可能です。通貨の送金において、海外に送金したいとなると、1万だけの送金で何千円とかかる場合があります。しかし、仮想通貨の場合だと、それが数十円で収まることもあります。
しかし、場合によってはメリットならない時もあります。ブロックチェーンは主にパブリック型とプライベート型に分けられますが、プライベート型では、運用方法によってはコスト高になります。
仮想通貨でも、ビットコインの送金手数料が最近非常に高騰していたりします。
3-3.信頼できるシステム
ブロックチェーンは従来のシステムよりも信頼できると大きな期待が寄せられています。
現に、ブロックチェーンの最初の実用例であるビットコインは2010年に最初の取引が行われてから、一度も停止したことがありません。
4.ブロックチェーンのデメリット・課題
ブロックチェーンのデメリットは、以下の4つが主に挙げられます。
①1秒あたりの取引できる数が少ない
②手数料が高い取引が優先的に記録される
③法整備が整いきれていない
④データの肥大化よる、管理のしにくさ
それぞれ見ていきましょう。
4-1.①1秒あたりの取引できる数が少ない
ブロックチェーンは一つのブロックに記録できるデータの容量が限られています。それが原因で、1秒間で約7回程度しか取引できない状態です。
それに比べ、世界的に有名なVISAでは、なんと1秒に約7000回もの取引が可能です。
しかし、この課題も近年解決されつつあります。サイドチェーンやオフチェーン、シャーディング等の技術が開発されており、場合によってはトランザクション数が10万回まで伸ばせることが可能になるそうです。
4-2.②手数料が高い取引が優先的に記録される
トランザクションは、マイナー達がマイニングという作業を行うことで、ブロックチェーン上に記録されるようになります。
しかし、彼らはマイニングで得られる報酬が目当てで、マイニングを行なっています。その報酬のひとつとして、記録した取引の手数料があります。
仕組みの説明にあったように、マイナーはマイニングプールから記録するトランザクションを選びます。
したがって、マイナー達は、手数料が大きいトランザクションを優先的に記録しようとします。それにより手数料が低い取引はいつまでも取引が記録されず、完了するまで何時間何日も待たないといけない事態が発生しています。
結果、ブロックチェーンのメリットが活かされず、従来の取引と変わらない時間とコストがかかってしまうこともあります。
4-3.③法整備が整いきれていない
ブロックチェーンは、新しく生まれた技術だけに、各国での法整備が整っていません。
したがって、ブロックチェーンを用いたアプリ・サービスを作ったとしても、それを利用する国の法律に引っかかってないか、定かではないのが現状です。
しかし、日本でも仮想通貨に関する法律が出来たように、ブロックチェーンに対する法整備は進んでいます。数年後には、安心してブロックチェーンを用いたサービスを世に広げる世の中になっていると考えられます。
4-4.④データの肥大化よる、管理のしにくさ
当然ながら、ブロックチェーンに記録する程、ブロックチェーンのデータも増加しています。その結果、個人では管理できない程のデータの量になることが懸念されています。
現状、ビットコインのブロックチェーンのデータの量は1TBを超えています。これを個人で管理するには、かなりの負担がかかります。
このような状態を回避するために、ブロックチェーンの一部だけ管理する方法等の工夫が実施されています。
5.ブロックチェーンを応用したアプリ・アービス
メリット・デメリット双方ありながらも、将来性の高い技術として注目されているのは事実です。では、現在ブロックチェーンがどのように利用されているのか、その具体例を紹介していきます。
5-1. 仮想通貨
仮想通貨でもその種類によって、ブロックチェーンの利用の仕方は様々です。
5-1-1.ビットコイン
言わずと知れた、一番最初のブロックチェーンの実用例です。
もともと、ビットコインを実現するための手段として、ブロックチェーンが生み出されたので、ブロックチェーンをより理解するには、ビットコインについて知ると、より理解が深まると思います。
5-1-2.イーサリアム
ビットコイン以外の仮想通貨をアルトコインと言います。その代表として考えられるのが、イーサリアムです。
ビットコインとの違いは、送金ができるだけではなく、スマートコントラクトという、お金のやり取り以外の取引も、ブロックチェーン上で行うことが可能になっている点です。
5-2.ゲーム
意外にもブロックチェーンを使ったゲームが、数多く開発されており、今年当たりから注目を集めています。
日本でも開発されたゲームも開発されています。
5-2-1.CryptoKitties
ブロックチェーンのゲームで一番有名だと思われるゲームです。内容は、仮想通貨でネコを購入して育てるという、一見シンプルなゲームです。
しかし、個性的なデザインのネコが多いことや、交配させ新しいネコを産むことができ、それを他のユーザーに売ることができます。なんと、ゲーム内通貨ではなく、仮想通貨で売ることができます。
最近では、なんと1400万円で売られたネコがいたそうです。
5-2-2.イーサエモン
ブロックチェーンとポケモンの融合させたかのようなブロックチェーンゲームです。
内容もポケモンにかなり近いものになっています。購入したイーサエモンを育成し、他のユーザーとバトルさせることができます。さらに、バトルに勝った報酬として、仮想通貨を得ることもできるそうです。
ブロックチェーンのゲーム面白いそう!しかも、これって、ゲームしながら稼げるってことだよね?!そうだよね?!
確かにそうですが、楽しむ気持ちは大事にしてください(ガチレス)。
5-3.音楽やイラストなどのデジタルコンテンツ
従来のデジタルコンテンツは、コピーされることの危険性や、様々な既得権益の存在による著作者への正当な対価が支払われないことが大きな問題となっていました。
しかし、これをブロックチェーンによって、解決しよういう試みが行われています。
5-3-1.ZIMRII Music
シドニー発の音楽配信サービスです。従来では、楽曲配信や著作権管理はアーティストが所属するプロダクションや音楽レーベルが管理していました。
しかし、ZIMRII Musicでは、それらをアーティスト自身で行うことができます。
さらに、イベントやプロモーション活動をZIMRII Music上で行うことも可能です。それにより、活動による対価を直接アーティストが受けたり、ファンに還元することが実現します。
5-3-2.COLOR BAY
中国初のイラストに関するプロジェクトです。すでに600万人ものユーザーが存在しており、今も人気が上昇しています。
大きな特徴として、イラストを描くプロセスを閲覧することができます。また、描いたイラストはブロックチェーン上に記録するので、その著作権がちゃんと保護され、コピーの危険性もなくなります。これにより、イラストの売買が行われると、著作者に正当な対価が支払われます。
6.ブロックチェーンの将来性
ブロックチェーンは、インターンネット以来の革新的な技術と言われるほど、その将来性は期待されています。その応用先も、上記以外にたくさん存在しています。
銀行 、チャリティー、慈善活動
保険 、医療
製造 、自動車産業
政治 、不動産
教育 、公務員
投資 、国際貿易
農業 、オンラインショッピング
etc…
このように、非常に多くの業界で、その応用が期待されています。
なぜ、これだけブロックチェーンに期待があつまるのか、それは「第三者を介在させることなく、価値のやり取りを直接行うことができる」ということに集約させられると考えられます。
今の世の中では、様々な分野で多くの不正や改ざんが行われています。
日本でも大手メーカの財務改ざんや政府での記録の隠蔽などが明らかになり、大きな問題となっていました。
ブロックチェーンはそのような不正・改ざんを防ぎ、正当な価値を受けることが出来る可能性を秘めていることから、世界中が注目し、多くの人がブロックチェーンで何が出来るか、日々研究開発に没頭しています。
7.「ブロックチェーンとは」まとめ
・ブロックチェーンはお金のやり取りの運用管理を利用者みんな行うシステム
・利用者みんなで運用管理することで、第三者による不正・改ざんが非常に難しく、信頼できるシステム
・様々な業界での応用が期待されており、インターネット以来の技術革新だと言われている
@okame1470)
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